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中国の習近平指導部は「海洋強国」を掲げ、拡張主義的な海洋進出を強めている。その狙いは海洋権益の拡大を通じた経済発展の持続と、国民の不満をそらすことで共産党の一党独裁体制を維持することにある。
中国人民解放軍は伝統的に陸軍主体だったが、1978年に鄧小平指導部が改革開放を打ち出した後、資源輸入や製品輸出に必要なシーレーンの安全確保が急務となり、海軍近代化に注力してきた。
海軍戦略の基礎を築いたのは鄧小平氏の側近、劉華清・元海軍司令官だ。劉氏は1980年代、2000年までに第1列島線(九州-沖縄-台湾-フィリピン)への作戦半径拡大、2020年までに小笠原諸島やグアムを結ぶ第2列島線突破、2050年には世界的制海権掌握という長期構想を描いた。
現指導部は第1列島線外の西太平洋での艦隊・空軍による遠洋訓練を常態化させ、空母打撃群の整備を急いでいる。21世紀半ばまでに米軍と並ぶ「世界一流の軍隊」を目標とし、この方針は劉氏の構想と合致する。
中国が特に重視するのはエネルギー安全保障と周辺海域の資源開発だ。「一帯一路」構想には中東やアフリカからの資源輸送路を海陸両方で確保する目的がある。将来の米国による禁輸措置も念頭に置いている。
中国は約1万8000キロの海岸線を持つが、第1列島線上の米軍基地、自衛隊基地、台湾などに外洋への出口を塞がれている。そのため宮古海峡や台湾海峡を戦略的に重視し、まず第1列島線内の近海から米軍を排除する「接近阻止・領域拒否」を優先課題とする。
特に南シナ海は、中国の輸入石油の約8割が通過する海上交通の要衝であり、豊富な天然資源を埋蔵する。水深が深く戦略原潜が探知されにくいため、米国に対する核抑止力の拠点としても重要だ。